Japanese
English
症例報告
生検後に自然消退した皮膚原発未分化大細胞性リンパ腫の小児例
A pediatric case of primary cutaneous anaplastic large cell lymphoma showing spontaneous regression after biopsy of the primary lesion
小幡 祥子
1
,
舩越 建
1
,
平井 郁子
1
,
海老原 全
1
,
天谷 雅行
1
,
嶋田 博之
2
,
渡辺 絵美子
3
Shoko OBATA
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Ikuko HIRAI
1
,
Tamotsu EBIHARA
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Hiroyuki SHIMADA
2
,
Emiko WATANABE
3
1慶應義塾大学医学部皮膚科
2慶應義塾大学医学部小児科
3共済立川病院皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Pediatrics, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
3Division of Dermatology, Kyosai Tachikawa Hospital, Tachikawa, Japan
キーワード:
皮膚原発未分化大細胞性リンパ腫
,
小児
,
自然消退
Keyword:
皮膚原発未分化大細胞性リンパ腫
,
小児
,
自然消退
pp.327-331
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204380
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要約 11歳,女児.抗菌薬内服,外用治療に反応しない右側頸部の結節を主訴に受診した.右側頸部に,径20mm大,中央が潰瘍化した紅色結節があり.皮膚生検の病理組織像では,真皮全層にシート状に増殖する多形大型異型細胞を認めた.特殊染色でCD3,CD4,CD8およびCD30陽性,ALK陰性だった.全身検索で異常所見はなく,骨髄検査も正常であり,皮膚原発未分化大細胞性リンパ腫と診断した.生検後,皮疹は褪色傾向を示したが,発症から7週目に,残存する紅色結節を全摘した.腫瘍細胞は認められず,リンパ腫は自然消退したものと判断した.本症の小児例はきわめて稀であり,過去に報告された25例について,経過および治療法を成人例と比較した.治療の奏効率,再発率に大きな差はないものの,長期的な予後調査は今後の課題として残ると考えた.
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