Japanese
English
症例報告
急激に多臓器浸潤をきたした皮膚原発未分化大細胞性リンパ腫の1例
A case of rapidly progressing primary cutaneous anaplastic large cell lymphoma
藤尾 由美
1,2
,
吉田 和恵
2
,
高江 雄二郎
2
,
海老原 全
2
,
松木 絵里
3
,
山ノ井 一裕
4
Yumi FUJIO
1,2
,
Kazue YOSHIDA
2
,
Yujiro TAKAE
2
,
Tamotsu EBIHARA
2
,
Eri MATSUKI
3
,
Kazuhiro YAMANOI
4
1日本鋼管病院皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
3慶應義塾大学医学部血液内科
4慶應義塾大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology,Nippon Kokan Hospital,Kawasaki,Japan
2Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
3Division of Hematology,Department of Internal Medicine,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
4Department of Pathology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
皮膚原発未分化大細胞性リンパ腫
,
IFN-γ
,
CD30
,
CHOP療法
,
anaplastic lymphoma kinase
Keyword:
皮膚原発未分化大細胞性リンパ腫
,
IFN-γ
,
CD30
,
CHOP療法
,
anaplastic lymphoma kinase
pp.249-252
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103199
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要約 65歳,女性.初診の半年前より右足背に掻痒を伴う紅色丘疹が出現し下腿へ拡大した.初診時,右下腿に小結節を複数個と右大腿に手拳大の紅斑を認めた.画像検査では皮膚病変以外認めず,皮膚組織でCD30陽性の未分化大型腫瘍細胞が増生していたことから皮膚原発未分化大細胞性リンパ腫と診断した.右下肢結節に対し電子線,放射線および紫外線療法を施行し皮疹は軽快した.しかし,4か月後には再燃し側腹部にも結節が出現したためIFN-γ療法を開始した.皮疹は平坦化したが開始5か月後に結節の増大・潰瘍形成を認め,再度放射線療法を行った.治療終了時より急激に肺・腹腔内リンパ節などの多臓器浸潤を認め,CHOP療法を行ったが効果不十分で永眠した.腫瘍細胞の細胞表面抗原は,当初陽性であったCD3,CD5がINF-γ治療後より陰性化していた.表面抗原の変化が臨床像の急性増悪に関連している可能性が考えられた.
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