Japanese
English
症例報告
生検後,消退したMerkel細胞癌の1例―本邦における自然消退例のまとめ
A case of Merkel cell carcinoma with regression after biopsy
伊藤 圭
1,2
,
加藤 直子
1,2
,
木村 久美子
1,2
,
柴田 雅彦
1,2
,
菅原 弘士
3
Kei ITO
1,2
,
Naoko KATO
1,2
,
Kumiko KIMURA
1,2
,
Masahiko SHIBATA
1,2
,
Hiroshi SUGAWARA
3
1国立札幌病院皮膚科
2国立札幌病院臨床研究部
3新日鉄室蘭病院皮膚科
1Depertment of Dermatology,National Sapporo Hospital
2Clinical Research Insutitute,National Sapporo Hospital
3Depertment of Dermatology,Shinnittetsu Muroran Hospital
キーワード:
Merkel細胞癌
,
サイトケラチン20
,
生検
,
自然消退
Keyword:
Merkel細胞癌
,
サイトケラチン20
,
生検
,
自然消退
pp.737-740
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101307
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78歳,女性.初診の1か月前から左頬部に3×2cm大の暗赤色腫瘤が出現した.Incisional biopsyを行ったところ,組織学的に,真皮網状層から皮下脂肪層に単核球細胞の増殖を認めた.免疫染色で腫瘍細胞は核周囲にボタン状のサイトケラチン20陽性所見を呈し,Merkel細胞癌と診断した.また,腫瘍巣周囲にはCD4,CD8陽性Tリンパ球の浸潤が同比率で認められた.生検の2週間後,腫瘍は消退した.根治手術標本には腫瘍細胞は全く存在せず,CD8陽性Tリンパ球の浸潤を認めた.術後10か月が経過する現在も再発および転移は認められない.本邦で報告されている生検後,あるいは自然に退縮したMerkel細胞癌の18例をまとめた.平均年齢は76歳,発症部位は上腕の1例を除き,頬部を主とする顔面であった.
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