Japanese
English
症例報告
小麦粉含有製品内で増殖したダニによるアナフィラキシーの3例
Three cases of anaphylaxis caused by mites propagated in wheat flour delicatessen product
伊勢 美咲
1
,
小幡 祥子
1
,
木花 いづみ
1
,
松村 和哉
2
,
山田 健一朗
2
Misaki ISE
1
,
Syoko OBATA
1
,
Izumi KONOHANA
1
,
Kazuya MATSUMURA
2
,
Kenichiro YAMADA
2
1平塚市民病院皮膚科
2平塚市民病院小児科
1Division of Dermatology, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
2Division of Pediatrics, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
キーワード:
アナフィラキシー
,
小麦粉製品
,
ダニ
,
プリックテスト
Keyword:
アナフィラキシー
,
小麦粉製品
,
ダニ
,
プリックテスト
pp.19-24
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204272
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要約 症例1:36歳,男性.自宅で調理したたこ焼きを摂取直後,全身の膨疹,咳嗽が出現した.症例2:9歳,女児.症例1の娘である.父とともに食事し,ほぼ同時に全身の膨疹,呼吸苦が出現した.症例3:37歳,女性.自宅で保管した天ぷら粉で調理した天ぷら摂取直後,軀幹の掻痒と紅斑,喘鳴が出現した.いずれも,アナフィラキシーに対する急性期治療を行った.3例とも気管支喘息とアトピー性皮膚炎の既往があり,ダニの特異IgEが>100〜31.50UA/mlと高値だった.使用した粉は開封後,室温で数か月保管した賞味期限切れのものであった.粉の鏡検で多数のコナヒョウヒダニを確認,プリックテストで,使用した粉とダニ抗原に陽性だった.本症はダニにアレルギーをもつ患者に大量の抗原曝露を誘因として発症すると考えられ,近年の生活様式や食生活の変化に伴い増加している.アレルギー素因を有する患者やその家族には,開封済み小麦粉製品の冷所保存など徹底した指導が必要である.
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