Japanese
English
症例報告
フキノトウによるアナフィラキシーが疑われた1例
A case of suspected anaphylaxis due to Japanese butterbur scape
足立 太起
1
,
伊藤 崇
1
,
志水 陽介
1
,
栗田 昂幸
1
,
黒沼 亜美
1
,
木村 理沙
1
,
田中 博子
1
,
鷲崎 久美子
1
,
関東 裕美
1
,
石河 晃
1
Motoki ADACHI
1
,
Takashi ITO
1
,
Yosuke SHIMIZU
1
,
Takayuki KURITA
1
,
Ami KURONUMA
1
,
Risa KIMURA
1
,
Hiroko TANAKA
1
,
Kumiko WASHIZAKI
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医療センター大森病院皮膚科
1Department of Dermatology, Toho University Omori Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
フキノトウ
,
アナフィラキシー
,
プリックテスト
,
食物アレルギー
Keyword:
フキノトウ
,
アナフィラキシー
,
プリックテスト
,
食物アレルギー
pp.37-40
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206872
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要約 33歳,女性.食事摂取3時間後に顔面と体幹の瘙痒を伴う皮疹,口腔内違和感,呼吸苦が出現した.食物によるアナフィラキシーが疑われ,精査目的に当科を受診した.患者が疑ったフキノトウのプリックテストを実施した結果,フキノトウを加熱したもの,非加熱のものともに雄花の小花で陽性であり,雄花の苞葉,雌花では陰性であった.フキノトウアナフィラキシーの既存の報告ではフキノトウの花粉が抗原となる食餌アレルギーであるとされるが,その感作機序や抗原については不明な点が多い.自験例においてもプリックテストの結果からは花粉が原因抗原で,熱耐性を示すことが観察され,花粉を直接摂取したことによるクラスⅠ食物アレルギーの関与が示唆された.フキノトウのアレルギー自体は一般的に認知度が低いと思われ,特に多種の花粉症を有する患者への啓蒙が今後重要と考えられる.
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