Japanese
English
原著
髄膜炎を併発した帯状疱疹の1例
A Case of Herpes Zoster Associated with Meningitis
森嶋 和子
1
,
森嶋 隆文
2,3
Kazuko MORISHIMA
1
,
Takafumi MORISHIMA
2,3
1梅島診療所皮膚科
2日本大学医学部皮膚科教室
3駿河台日大病院皮膚科
1Umejima Dermatology Clinic
2Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
pp.797-801
発行日 1982年8月1日
Published Date 1982/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202690
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胸神経領域の帯状疱疹と髄膜炎とがほぼ同時期に発症した42歳,男子例を経験し,脳脊髄液中の各種ウイルスの抗体価の推移を検討した.初診時,血清では4倍以下,髄液では1倍以下であったVZVに対するCF抗体価は,第2および第4病週ではそれぞれ,128倍,2倍と上昇したとの結果をえ,髄膜炎の発症機序を該当神経節からのVZVの髄膜への直接侵襲によるものと考えた.わが国における帯状疱疹脳炎・髄膜炎の臨床的特微は以下の如くである.1)神経症状は皮疹の出現に相前後して1週以内に発症する.2)皮疹の重症度とは相関しない.3)皮疹の罹患部位は脳神経領域と脊髄神経領域とは半々である.4)重篤な基礎疾患を有する例はむしろ少ない.5)生命に対する予後は良好である.6)約60%は完治,その他は後遺症を残した.
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