Japanese
English
症例報告
運動麻痺と髄膜炎を合併した下肢帯状疱疹の2例
Two cases of herpes zoster of the lower extremity with motor paralysis and meningitis
島 英輝
1
,
足立 晃正
1
,
志村 智恵子
1
,
林 航
1
,
内田 千恵
1
,
吉岡 勇輔
1
,
藤田 明日菜
2
,
沢田 泰之
1
Hideki SHIMA
1
,
Akimasa ADACHI
1
,
Chieko SHIMURA
1
,
Wataru HAYASHI
1
,
Chie UCHIDA
1
,
Yusuke YOSHIOKA
1
,
Asuna FUJITA
2
,
Yasuyuki SAWADA
1
1東京都立墨東病院皮膚科
2東京都立墨東病院脳神経内科
1Division of Dermatology, Tokyo Metropolitan Bokutoh Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Neurology, Tokyo Metropolitan Bokutoh Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
帯状疱疹
,
髄節性運動麻痺
,
髄膜炎
Keyword:
帯状疱疹
,
髄節性運動麻痺
,
髄膜炎
pp.635-640
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207061
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要約 症例1:73歳,女性.膵体尾部癌術後補助化学療法開始後,左臀部〜左下腿に疼痛出現し,次第に増悪し歩行困難となった.その後,左臀部〜左下腿に紅斑および小水疱が集簇し,上肢と背部に小水疱が広がり,左L3〜S2領域を中心とした汎発性帯状疱疹と診断した.治療開始し,疼痛改善後にも左下肢の運動麻痺を認めた.症例2:68歳,男性,脳幹梗塞による左不全片麻痺の既往があったが,左下肢の脱力が新たに出現し,歩行困難となった.左下肢に紅斑,小水疱が集簇し,腹部や顔面に小水疱が広がり,運動麻痺を合併した左L3〜5領域を中心とした汎発性帯状疱疹と診断した.治療開始後に髄膜炎の合併も認められ,治療を強化した.帯状疱疹による運動麻痺は頻度が少なく,診断も難しいことから見過ごされやすい.そのため筋力低下が認められた際は,早期から運動麻痺や髄膜炎を疑い,治療介入することで予後改善につなげられる可能性があると考える.
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