Japanese
English
原著
歩行困難を来した掌蹠膿疱症—仙腸関節炎併発例
A Case of Pustulosis Palmaris et Plantaris with Difficulty in Walking Due to Sacroilitis
川浪 耐子
1
,
花輪 滋
1
,
森嶋 隆文
1
,
森嶋 和子
2
Taeko KAWANAMI
1
,
Shigeru HANAWA
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
,
Kazuko MORISHIMA
2
1日本大学医学部皮膚科教室
2梅島診療所皮膚科
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
2Umejima Dermatology Clinic
pp.579-583
発行日 1988年6月1日
Published Date 1988/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203917
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掌蹠膿疱症性骨関節炎は一般に胸肋鎖骨間部にみられるが,仔細に検索すると,これら患者の約10%に仙腸関節炎の合併がみられる.仙腸関節炎による臨床症状は圧痛,運動時痛,下肢痛などである.最近,我々は掌蹠膿疱症の治療中,腰痛のため,歩行困難となった30歳,女性例を経験した.自験例で興味あることは,歩行困難の原因が掌蹠膿疱症性仙腸関節炎であったこと,扁摘によって皮膚症状および骨関節症状が消失したことである.この症例の経験から,掌蹠膿疱症と骨関節病変が共通の病因,殊に病巣感染に関連して発症すること,治療に際し,感染病巣の検索とその除去,殊に扁摘を積極的に行うべきものと考えた.
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