海外見聞記
ラテンアメリカ便り(5)—アルゼンチン
大城戸 宗男
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科
pp.966-967
発行日 1969年9月1日
Published Date 1969/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200558
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アメリカのMount Sinai病院のごとく人種の混合した国の少数民族は自分らの病院を持つものだが,このアルゼンチンには英,独,シリア—レバノン,ユダヤ系の病院に加えて多数かつ先住民族である筈のスペイン,イタリア人らまでが自分らの病院を作りだした。
首都ブエノスアイレスを中心にして3世迄含めて約2万人近くの邦人がいるが1),その多くは洗濯屋さんと花屋さんの職業についており,夫々約5〜600軒位はあるそうだ。花を愛し,きれい好きな国民性のため充分ペイするのであろうか。所がその上,南米で1,2を争う先進国であるそうで,邦人が多く開拓に入り込んで比較的開けていると思われるメンドサ近辺でもサシガメ—Tria-toma現地ではVinchucaで親しまれている−10匹中3匹にChagas病のTrypanosoma cruziが発見されるという。上下水道が不備の為かアメーバ赤痢や回虫を初めとする消化器系寄生虫が多く,その他ScabiesやPediculosis capitisも外来を訪れる(Mendoza州,Hospital Emi-liocivit de General Alvear,Dr.Juan Boailchuk談)事からも,その程度は見当がつく筈である。
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