海外見聞記
ラテンアメリカ便り(1)
大城戸 宗男
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科
pp.541-542
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200506
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アメリカの学生は色々なクラブを作るのが好きで,例えば優等生だけが集つたものは最高に属するであろうし,一方金曜日の夜に魚だけを食べる会の会員になつたと喜んでいる様なふざけたもの迄ある。最近再びアメリカに立寄つた時には大学教授間にまでグループという流行語が生まれていたが,これは秘密めいた傾向があつてここには書かない。それはさておいて,この様なクラブの会員になると仲間意識を発揮するために,指輪や特別な握手を決めているが,見方によつては日本の入墨をする階級の人々とあまり変わらない。
世の中は広いもので頭のキレル人間もわれわれの目につかずいて,その様な幼稚なことはせず素人のくせに皮膚病の自然経過を熟知していて,それを利用して自分の部落民とすぐ分る様な習慣を持つている所がある。
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