連載 ヘルスセクターリフォームの国際動向・6
ラテンアメリカ
北島 勉
1
,
長谷川 敏彦
2
1杏林大学保健学部保健管理学教室
2国立医療・病院管理研究所医療政策研究部
pp.579-585
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901938
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ラテンアメリカとは,中部および南部アメリカの諸国の総称であるが,カリブ海諸島を加える場合も多い.現在,ラテンアメリカには33の共和国と13の非独立地域がある.総面積は2,055万km2で,日本の約54倍,世界陸地面積の約15%を占めている.1993年における推定人口は約4億6,000万人,21世紀初めには5億を突破すると推計されている1).スペインやポルトガルによって植民地化された国が大半であることから,ラテン系の文化を受け継いでいるという共通点はあるものの,ラテンアメリカ諸国はその大きさ,政治的,経済的,社会的において多様である.各国が抱えている保健医療分野における問題も一様ではないが,現在ほとんどの国において,国民が公平に基礎的な保健医療サービスを受けられるようにすることを目標として,ヘルスセクターリフォームが実施されている.本稿では,ラテンアメリカの社会経済状況,人口構造,疾病構造,保健医療サービスの状況を概観したうえで,ヘルスセクターリフォームの動向に関して報告したい.
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