学会印象記
第68回日本皮膚科学会総会並びに学術大会
籏野 倫
1
1慶応義塾大学皮膚科
pp.538-540
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200505
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
第68回日本皮膚科学会総会並びに学術大会は東京慈恵会医科大学土肥淳一郎教授が会頭になり昭和44年4月7日から3日間にわたり東京都港区の東京プリンスホテルに於いて開催された。この頃は雨天がちという気象統計も幸いにはずれて花曇りないし晴天にめぐまれ連日さしもの広い会場が満員の盛況であつた。空気調節下の快適な会場はもとより宿泊,食事,休憩等一切の事が同一場所で足すことができて学会も漸く欧米なみの観がして誠に申し分ない環境であつた。
学術大会は例によつて宿題報告,国際皮膚科学交換講座,シンポジウム,一般演題,学術展示及びスライド供覧に分けられるが,今年は一般実地医家を対象とした講習会が連日開催されたことと,別個にこの期日を利用して今後の皮膚科教育のあり方に関する座談会がもたれたことが特異であつた。前者は漸く皮膚科専門医の問題がやかましくなつた折柄,又後者は今までの教育法を謙虚に反省して将来の教育のあり方に真剣にとり組んだものであつて誠に意義深いものであつた。学会は概ね午前中の前半が会場に於いて一般演題に,後半が宿題報告,国際交換講座等に,又別会場では講習会が行われ,午後は前半が主として学術展示およびスライド映写に対する討議,後半がシンポジウムに夫々あてられたが一部で時間が少なく討論が十分につくされぬ点がないではなかつたが,総じて時間に余裕があつて活溌な討議をくりひろげることができたことはプログラム編成に対して慎重な配慮の賜と考えられた。以下,みたまま,きいたままの印象を若干の私見をまじえながらお伝えしたい。興味の対象によりかたよりのあることを予めおゆるしを乞う次第である。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.