Japanese
English
症例報告
リンパ腫様丘疹症の1例
A case of lymphomatoid papulosis
山本 悠飛
1
,
佐々木 哲雄
1
,
鈴木 亜希
1
,
竹下 芳裕
1
,
池澤 善郎
1
Yuhi YAMAMOTO
1
,
Tetsuo SASAKI
1
,
Aki SUZUKI
1
,
Yoshihiro TAKESHITA
1
,
Zenro IKEZAWA
1
1国際医療福祉大学熱海病院皮膚科
1Division of Dermatology, International University of Health and Welfare Atami Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
リンパ腫様丘疹症
,
悪性リンパ腫
,
CD30陽性未分化大細胞リンパ腫
Keyword:
リンパ腫様丘疹症
,
悪性リンパ腫
,
CD30陽性未分化大細胞リンパ腫
pp.1055-1058
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200058
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要約 37歳,女性.32歳頃より四肢,軀幹に掻痒のない丘疹が出没した.37歳時,掻痒を伴うようになり,当科を紹介初診した.抗アレルギー剤内服,ステロイド外用剤にて掻痒は改善し,一時皮疹は消退した.その後も再発を認めた際には同様の加療を行っていた.42歳の再診時には軀幹,上肢に掻痒のない米粒大の淡紅色丘疹が散在していた.皮膚生検にて真皮上層から中層に小型から中型の異型リンパ球や組織球が主体で,一部にクロマチンに富む大型異型細胞を混ずる稠密な細胞浸潤を認めた.大型異型細胞はCD30陽性で,リンパ腫様丘疹症と診断した.血液,CT検査で異常はなかった.皮疹は自然消退し,2年半以上,再燃を認めない.初診から確定診断まで5年を要し,適切な時期での皮膚生検が必要であった.本疾患は基本的には良性の経過をとるが,CD30陽性未分化大細胞リンパ腫などの悪性リンパ腫との鑑別,進展,併発例の報告もあり,今後の注意深い観察が重要である.
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