Japanese
English
症例報告
C1インヒビター活性低下による血管性浮腫の1例
A case of angioedema with a decreased C1 inhibitor activity
北 和代
1
,
武下 泰三
1
,
古江 増隆
2
Kazuyo KITA
1
,
Taizou TAKESHITA
1
,
Masutaka FURUE
2
1佐賀県立病院好生館皮膚科
2九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
1Division of Dermatology, Saga Koseikan Hospital, Saga, Japan
2Depertment of Dermatology, Graduate School of Medical Sciences, Kyusyu University, Fukuoka, Japan
キーワード:
血管性浮腫
,
C1インヒビター
Keyword:
血管性浮腫
,
C1インヒビター
pp.782-785
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104122
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要約 45歳,女性.31歳頃より年に数回腹痛や嘔吐,下痢が出現していた.33歳時,近医で腹水を指摘され精査したが原因不明であった.5年程前から数年に1回の頻度で上肢に浮腫が出現していた.当科初診時,右前腕から右手背にかけ発赤を伴わない浮腫を認めた.C3 80.3mg/dl正常,C4 1.5mg/dl,C1インヒビター活性<25%は著明に低下し,C1q 7.7mg/dlは軽度低下し,母親に原因不明の呼吸困難や浮腫のエピソードがあった.また後天性C1インヒビター欠損症で認められるB細胞増殖性疾患や自己免疫疾患は認めなかった.以上の所見から遺伝性血管性浮腫の可能性を考えた.血管性浮腫のうち,遺伝性血管性浮腫は稀な疾患であるが,喉頭浮腫に至ると重篤になりうる.蕁麻疹を伴わない血管性浮腫の症例に遭遇した際は,遺伝性血管性浮腫の可能性を考える必要がある.
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