Japanese
English
症例報告
肺真菌症患者に生じた急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)の1例
A case of acute generalized exanthematous pustulosis (AGEP) with pneumomycosis
佐藤 洋平
1
,
平原 和久
1
,
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
Youhei SATO
1
,
Kazuhisa HIRAHARA
1
,
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Tokyo, Japan
キーワード:
急性汎発性発疹性膿疱症
,
抗菌剤
,
肺真菌症
,
増悪因子
Keyword:
急性汎発性発疹性膿疱症
,
抗菌剤
,
肺真菌症
,
増悪因子
pp.775-780
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104121
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要約 57歳,男性.2013年1月まで肺結核の治療歴あり.初診の5日前より発熱,咳嗽を認め,葛根湯を内服した.翌日より間擦部優位に紅斑,小膿疱が多発し葛根湯による急性汎発性発疹性膿疱症(acute generalized exanthematous pustulosis:AGEP)を疑った.高熱の持続,呼吸器症状,肺の画像所見などから細菌性肺炎を否定できず,やむなくセファゾリンナトリウム(CEZ)とメロペネム水和物を投与した.しかし,発熱と皮疹の増悪が続いたため,投与した抗生剤が症状の増悪に関与していると考え薬剤を中止した.その直後より皮疹は軽快傾向を示した.その後も37℃台の微熱が続き,喀痰培養から糸状菌が検出され,抗真菌剤の投与で解熱した.CEZの薬剤リンパ球刺激試験は陽性であった.感染症が基盤にあるAGEP症例では,発症後に使用した薬剤が増悪因子となる可能性があるため,AGEP経過中の投薬は慎重に行う必要がある.
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