Japanese
English
症例報告
石灰沈着を伴う足底の血管平滑筋腫の1例
A case of angioleiomyoma with calcification on the sole
村上 香織
1
,
齋藤 京
1
Kaori MURAKAMI
1
,
Hitoshi SAITO
1
1さいたま市立病院皮膚科
1Division of Dermatology, Saitama Municipal Hospital, Saitama, Japan
キーワード:
血管平滑筋腫
,
足底
,
石灰沈着
,
石灰化
Keyword:
血管平滑筋腫
,
足底
,
石灰沈着
,
石灰化
pp.433-436
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104026
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要約 86歳,女性.数年前より左足底に異物感を認め圧痛を伴うようになり受診した.左足底に径12mmの圧痛を伴う弾性硬の皮下結節を認めた.病理組織学的所見にて小血管腔を多数認め,類円形の核を持つα-SMA染色陽性の好酸性の細胞が線維の増生を伴い錯綜していた.また結節内に石灰沈着を伴っており,石灰沈着を伴う血管平滑筋腫と診断した.本症の石灰沈着の機序は確立した説はないが,易刺激部で長期経過した際に石灰沈着を伴うという説や,膠原線維が占める割合が多い際に二次性変化として硝子様変性を経て石灰沈着に至るとする説が唱えられている.足部に発生した血管平滑筋腫の本邦報告22例の統計からは,石灰沈着が50%と本症全体の報告に比較し高率に認めており,前者の説が示唆された.一方で自験例は病理組織学的に硝子性変化が比較的強く,後者を否定するものではなかった.本症の石灰化には複合的な要因が考えられる.
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