Japanese
English
症例報告
指背に生じた血管平滑筋腫の1例
A case of angioleiomyoma in the dorsal finger
早乙女 敦子
1
,
福田 英嗣
1
,
上原 和子
1
,
工藤 新也
1
,
佐藤 八千代
1
,
大原関 利章
2
,
高橋 啓
2
,
向井 秀樹
1
Atsuko SAOTOME
1
,
Hidetsugu FUKUDA
1
,
Kazuko UEHARA
1
,
Shinya KUDO
1
,
Yachiyo SATO
1
,
Toshiaki OHARAZEKI
2
,
Kei TAKAHASHI
2
,
Hideki MUKAI
1
1東邦大学医療センター大橋病院皮膚科
2東邦大学医療センター大橋病院病理
1Department of Dermatology,Toho University Ohashi Medical Center,Tokyo,Japan
2Department of Pathology,Toho University Ohashi Medical Center,Tokyo,Japan
キーワード:
血管平滑筋腫
,
手指
,
指背
,
疼痛
,
超音波
Keyword:
血管平滑筋腫
,
手指
,
指背
,
疼痛
,
超音波
pp.659-662
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102384
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要約 76歳,男性.15年ほど前に気付いた左第3指背の結節が増大した.初診時,左第3指背に自覚症状のない径9×8mm大,常色,ドーム状に隆起したやや弾性硬の皮内結節を認めた.超音波所見では結節はlow echoic lesionで,内部エコーは不均一であった.病理組織学所見では,線維性の被膜に包まれた充実性で周囲との境界は明瞭な結節で,結節内部は大小さまざまな毛細血管と不規則に交錯する線維束から構成されていた.線維束はelastica van Gieson染色で黄染,アザン染色では赤染した.また,免疫組織化学染色ではα-SMA染色,デスミン染色で腫瘍細胞が陽性,第Ⅷ因子関連抗原染色では管腔壁のみが陽性であった.以上より,血管平滑筋腫と診断した.血管平滑筋腫は中高年女性の下肢に好発する有痛性腫瘍であるが,手指に発生したものは男性に多く,痛みが少ないといわれている.
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