Japanese
English
症例報告
結節性紅斑様皮疹の病理組織所見より診断に至った神経Behçet病の1例
A case of neuro-Behçet syndrome diagnosed from histopathological findings of erythema nodosum-like lesions
本多 皓
1
,
松﨑 ひとみ
1
,
栗原 英美
1
,
高橋 京子
1
,
陳 科榮
1
Aki HONDA
1
,
Hitomi MATSUZAKI
1
,
Emi KURIHARA
1
,
Kyoko TAKAHASHI
1
,
Ko-Ron CHEN
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
1Division of Dermatology, Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
神経Behçet病
,
結節性紅斑様皮疹
,
リンパ球性血管炎
,
髄膜脳炎
Keyword:
神経Behçet病
,
結節性紅斑様皮疹
,
リンパ球性血管炎
,
髄膜脳炎
pp.948-952
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103808
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 52歳,男性.初診3日前より感冒症状あり,発熱と意識障害を生じ当院に搬送された.意識レベルJCSI-3,体温40.4℃,項部硬直あり,両下腿に大豆大の浸潤性紅斑を多数認めた.血液検査にてWBC 9.2×103/μl,CRP 23.7mg/dlと炎症反応高値,髄液検査では髄圧亢進と好中球主体の細胞数増加を呈した.感染性髄膜脳炎の診断でメロペネム水和物6g/日,バンコマイシン塩酸塩2g/日,アシクロビル750mg/日を投与したが,発熱と頭痛は持続した.下腿紅斑の病理組織にて真皮中下層の細静脈にリンパ球性血管炎を認め,Behçet病を疑った.精査にてぶどう膜炎,再発性口腔内アフタ,針反応陽性を認め,不全型Behçet病,神経Behçet病と診断した.プレドニゾロン30mg/日投与にて,発熱・頭痛ともに改善した.Behçet病の結節性紅斑様皮疹・浸潤性紅斑は脂肪織炎に加え,リンパ球・好中球性細静脈炎を主とする血管病変を認めることが多い.初診時の臨床・検査所見では診断に難渋したが,皮膚病理組織所見より診断に至った.全身疾患における皮膚所見の重要性を再認識した.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.