臨床講義
壊疽性膿皮症の臨床と病態
岡 昌宏
1
Masahiro OKA
1
1東北医科薬科大学医学部,皮膚科学教室,教授
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
炎症性腸疾患
,
好中球
,
自己炎症症候群
,
サイトカイン/ケモカイン
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
炎症性腸疾患
,
好中球
,
自己炎症症候群
,
サイトカイン/ケモカイン
pp.1069-1077
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000819
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壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum)は,(代表的臨床亜型である潰瘍型の場合)臨床的には下肢に好発する有痛性穿掘性皮膚潰瘍を呈し,病理組織学的には真皮の稠密な好中球浸潤を示す,病因不明のまれな炎症性皮膚疾患である。多くの場合で炎症性腸疾患,関節疾患,血液疾患などの合併疾患を伴うことが,大きな特徴であるとともに,まれな疾患でありながら皮膚科医が本症に興味をもつ理由と思われる。壊疽性膿皮症は教科書や成書のなかで,膿疱症,好中球性皮膚疾患,血管炎の類症,デルマドロームなどさまざまな疾患群に位置づけされており,この事実は本症の基本的概念・病態がいまだ定まっていないことを物語っている。しかしながら,近年壊疽性膿皮症の病態に関する興味深い研究結果や現象が次々と報告されており,本症の病態論は大きな転換点を迎えている。
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