Japanese
English
症例報告
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫に合併したクリオグロブリン血症性紫斑の1例
A case of cryoglobulinemic purpura associated with diffuse large B cell lymphoma
平井 郁子
1
,
森本 亜里
1
,
髙江 雄二郎
1
,
江原 洋介
2
,
松浦 史郎
3
Ikuko HIRAI
1
,
Ari MORIMOTO
1
,
Yujiro TAKAE
1
,
Yosuke EHARA
2
,
Shiro MATSUURA
3
1済生会横浜市南部病院皮膚科
2済生会横浜市南部病院腎臓内科
3済生会横浜市南部病院血液内科
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Nephrology, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
3Division of Hematology, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
クリオグロブリン血症
,
クリオグロブリン血症性紫斑
,
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫
Keyword:
クリオグロブリン血症
,
クリオグロブリン血症性紫斑
,
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫
pp.221-225
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204351
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要約 63歳,男性.半年前より下腿に出没を繰り返す皮疹があった.初診時,下肢末梢に軽度の色素沈着を認めたのみであったが,寒冷期に入り増悪し,点状および丘疹状の有痛性紫斑が出現した.また,下腿の浮腫と四肢のしびれを伴い,発熱が持続した.血清クリオグロブリンが陽性であったため,基礎疾患の検索を開始した.C型肝炎や膠原病はなかったが,CTで肝に11cm径の腫瘍があり,腹部傍大動脈領域に腫大したリンパ節を認めた.肝生検よりびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma)と診断した.皮膚生検病理組織像で真皮上層の小血管の増生と好酸性無構造物質による閉塞像を認め,悪性リンパ腫に伴うクリオグロブリン血症による血栓像と考えた.R-CHOP療法を開始後,皮疹は軽快した.一見,うっ滞性皮膚炎などを考える下肢末梢の色素沈着に,しびれや寒冷曝露による増悪を伴う場合,クリオグロブリン血症の可能性を考えることは重要であり,背景にある基礎疾患の早期発見とその治療につながりうると考えた.
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