Japanese
English
症例報告
グルコン酸カルシウム動注療法が著効したフッ化水素酸による手指の化学熱傷の1例
A case of chemical burn of the fingers by hydrofluoric acid successfully treated with trans-arterial infusion of calcium gluconate
菊池 剛彰
1
,
高橋 和宏
1
,
洞口 由香
1
,
大西 正純
1
,
馬場 俊右
1
,
森 志朋
1
,
前田 文彦
1
,
赤坂 俊英
1
Takeaki KIKUCHI
1
,
Kazuhiro TAKAHASHI
1
,
Yuka HORAGUCHI
1
,
Masazumi ONISHI
1
,
Shunsuke BABA
1
,
Shiho MORI
1
,
Fumihiko MAEDA
1
,
Toshihide AKASAKA
1
1岩手医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Iwate Medical University, Morioka, Japan
キーワード:
フッ化水素酸
,
化学熱傷
,
グルコン酸カルシウム
,
カルチコール
,
動注
Keyword:
フッ化水素酸
,
化学熱傷
,
グルコン酸カルシウム
,
カルチコール
,
動注
pp.391-394
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103663
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要約 60歳,男性.25%フッ化水素酸が手指に付着し,発赤とともに疼痛が増強した.WBC 14,070/μl,CK 278IU/l,CRP 0.6mg/dlで軽度上昇し,25%フッ化水素酸による化学熱傷と診断した.グルコン酸カルシウムの投与の適応と判断したが,手指には著明な浮腫があり循環障害のリスクがあるため局注は困難と考え,ワンショット動注療法を選択した.セルジンガー法にて受傷部位全体に薬液が到達するように左右上腕動脈から8.5% CG 5mlを生理食塩水20mlに溶解し,それぞれに12.5mlずつ30分かけて緩徐に注入した.動注直後から劇的に疼痛は軽減し,その後の局所の治療経過は良好であり瘢痕を残さず治癒した.フッ化水素酸による化学熱傷に対するグルコン酸カルシウム動注療法の有用性を確認した.
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