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特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013
5.皮膚科医のための臨床トピックス
結節性硬化症皮膚病変に対するラパマイシン外用療法
Topical rapamycin treatment for the skin manifestations due to tuberous sclerosis complex
金田 眞理
1
Mari WATAYA-KANEDA
1
1大阪大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology Course of Integrated Medicine, Graduate School of Medicine, Osaka University, Suita, Japan
キーワード:
結節性硬化症
,
皮膚血管線維腫
,
白斑
,
mTOR
Keyword:
結節性硬化症
,
皮膚血管線維腫
,
白斑
,
mTOR
pp.162-164
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103635
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要約 結節性硬化症(tuberous sclerosis complex:TSC)はその原因遺伝子TSC1,TSC2の異常のために,蛋白質hamartinとtuberinの異常が起こり,下流のmTORC1の抑制がとれ,脳,腎,肺,皮膚など全身に腫瘍が出現すると同時に白斑,てんかんなどが出現する疾患である.mTORC1の阻害剤であるラパマイシンの全身投与により,腫瘍や白斑が縮小軽快するが,投与中止にて再燃してくる.その結果,長期間の投与の継続が必要となり,副作用が懸念される.そこで安全性の高い,TSCの皮膚病変の治療薬として,ラパマイシの外用療法を検討した.Rocheの診断基準で結節性硬化症と確定診断された9~46歳の男女26人に対して,種々の基剤の0.2%ラパマイシン外用剤を3か月間外用し,その効果を検討した.その結果,顔面血管線維腫,白斑いずれに対しても効果が認められ,全身局所いずれに対する副作用も認められなかった.
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