Japanese
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臨床統計
過去3年間の当科において薬剤リンパ球刺激試験を施行した薬疹の解析
Study of drug-induced lymphocyte stimulation test in patients with drug eruption for the past 3 years in our hospital
鷲崎 久美子
1
,
江野澤 佳代
1
,
高田 裕子
1
,
岩瀬 七重
1
,
関東 裕美
1
,
石河 晃
1
Kumiko WASHIZAKI
1
,
Kayo ENOSAWA
1
,
Yuko TAKADA
1
,
Nanae IWASE
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学皮膚科学講座(大森)
1Department of Dermatology, School of Medicine, faculty of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
薬疹
,
統計
,
薬剤リンパ球刺激試験パッチテスト
,
プリックテスト
Keyword:
薬疹
,
統計
,
薬剤リンパ球刺激試験パッチテスト
,
プリックテスト
pp.273-277
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103573
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要約 過去3年間に当科を受診,薬疹と診断し薬剤リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test:DLST)を施行した患者を解析し,有用性について検討した.1剤以上のDLST陽性率は36.5%であった.さらにパッチテストも施行した55例ではDLST陽性群でパッチテスト陽性例が有意に多く(p=0.0031),パッチテストに対するDLSTの感度は68.2%,特異度は72.7%であった.蕁麻疹・アナフィラキシーショック型で1剤以上のDLST陽性率は27.6%,プリックの陽性率は31.3%でI型アレルギーの原因検索にもDLSTが有用である可能性が推測された.DLST陽性率は中毒性表皮壊死症,紅皮症,Stevens-Johnson症候群,播種状紅斑丘疹の順に高く,薬剤別では消炎鎮痛剤,去痰剤で高かった.今回の統計では内服テストで原因薬剤が確定した症例での検討は行なえていないため真の陽性率を見ているわけではない.しかし,安全で確実な原因薬剤の同定法がない現状ではこのような各種検査間で相関性を検討することは有意義であると考える.
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