Japanese
English
症例報告
慢性骨髄単球性白血病に生じた壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum in a patient with chronic myelomonocytic leukemia
難波 千佳
1
,
花川 靖
1
,
村上 信司
1
,
佐山 浩二
1
Chika NAMBA
1
,
Yasushi HANAKAWA
1
,
Shinji MURAKAMI
1
,
Koji SAYAMA
1
1愛媛大学大学院医学系研究科感覚皮膚医学
1Department of Dermatology, Ehime University Graduate School of Medicine, Toon, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
慢性骨髄単球性白血病
,
腫瘤状の不良肉芽
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
慢性骨髄単球性白血病
,
腫瘤状の不良肉芽
pp.269-272
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103572
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要約 42歳,女性.初診の半年前より慢性骨髄単球性白血病を発症し,無治療で経過観察中であった.初診の1か月前に湯たんぽにて低温熱傷を受傷した.初診の1週間前から,誘因なく同部位が著明に腫脹し,排膿したため,2011年2月当科を紹介され受診した.初診時,右下腿全面から内側にかけて17×20cm大の暗赤紫色の局面があり,中央は潰瘍となり,潰瘍内部には変性した脂肪織を認めた.入院後,蜂窩織炎の潰瘍化と考え抗生剤の点滴を開始した.局所の発赤腫脹は消退したが,潰瘍は改善しなかったため,デブリードマンを2回施行したが,いずれの場合も腫瘤状の不良肉芽を形成した.皮膚生検の結果は単核球浸潤からなる肉芽組織であった.感染症,血管炎,腫瘍などを支持する所見がないこと,慢性骨髄単球性白血病という基礎疾患の存在,経過から壊疽性膿皮症と診断し,プレドニゾロン30mgの内服を開始した.内服開始後潰瘍は著明に縮小し,プレドニゾロン内服開始3か月後,15mgに減量時に潰瘍は上皮化した.以後プレドニゾロンは漸減中であるが,潰瘍の再燃はない.また,慢性骨髄単球性白血病に関しても,病態は安定しており,無治療で経過観察中である.自験例は,不良肉芽の増殖変化が著明であったことが特徴的であった.
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