Japanese
English
症例報告
紫外線吸収剤(TINUVIN P®)による色素沈着型接触皮膚炎の1例
A case of pigmented contact dermatitis due to UV absorber(TINUVIN P®)
岩瀬 七重
1
,
関東 裕美
1
,
小原 芙美子
1
,
鷲崎 久美子
1
,
栗川 幸子
2
,
石河 晃
1
Nanae IWASE
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Humiko OHARA
1
,
Kumiko WASHIZAKI
1
,
Yukiko KURIKAWA
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
2大田区
1Department of Dermatology (Omori), School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Ota-ku, Tokyo, Japan
キーワード:
色素沈着型接触皮膚炎
,
TINUVIN P®
Keyword:
色素沈着型接触皮膚炎
,
TINUVIN P®
pp.29-32
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204274
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要約 64歳,男性.10年前より就業中粉塵防止用ゴーグルを着用していた.2011年9月より両頰部の自覚症状のない色素沈着に気づき,近医から原因精査目的で当科を紹介された.初診時ゴーグルとの接触部位に一致して両側眉毛部外側,鼻背部,頰部に色素沈着を認めた.製品の化学分析とパッチテストの結果,成分中の2-(2-hydroxy-5-methylphenyl)benzotriazole(TINUVIN P®)に陽性反応を示したためTINUVIN P®による色素沈着型接触皮膚炎と診断した.原因製品の使用を中止し代替品の使用,抗アレルギー剤,ビタミンCの内服,ハイドロキノン,ステロイド外用により色素沈着は軽快している.TINUVIN P®は紫外線吸収剤としてさまざまな有機高分子化合物に添加されており(www.polivinilplastik.com),1997年まで皮膚障害の報告が続いたが,その後は報告が途絶えている.原因不明の色素沈着を生じた症例に対しては,接触皮膚炎の可能性も考慮し原因検索を進める必要がある.
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