Japanese
English
症例報告
ガバペンチンによる扁平苔癬型薬疹の1例
A case of lichenoid drug eruption due to gabapentin
江野澤 佳代
1
,
荻原 護久
1
,
藤岡 彰
2
,
関東 裕美
1
,
石河 晃
1
Kayo ENOSAWA
1
,
Morihisa OGIWARA
1
,
Akira FUJIOKA
2
,
Hiromi KANTO
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学第一講座
2藤岡皮フ科クリニック
1The First Department of Dermatology,School of Medicine,Toho University,Tokyo,Japan
2Fujioka Hifuka Clinic,Tokyo,Japan
キーワード:
ガバペンチン
,
扁平苔癬型薬疹
Keyword:
ガバペンチン
,
扁平苔癬型薬疹
pp.584-588
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103355
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要約 78歳,女性.痙攣発作のため,2009年2月からフェニトイン,3月からガバペンチンの内服を開始した.6月より口唇,その後体幹と四肢に皮疹が出現し,近医にてプレドニゾロン4mgの内服とステロイド外用を行ったが,皮疹は軽快しなかった.薬疹を疑い,9月から中止可能薬剤のガバペンチンのみ中止し,当科を紹介受診した.初診時,体幹,四肢の多彩な紅斑に加え,口唇と口腔内に皮疹を認めた.病理組織所見は,基底層の液状変性,真皮上層のリンパ球を主体とした炎症細胞浸潤を認めたが,好酸球浸潤はみられなかった.内服薬剤を検討し,drug-induced lymphocyte stimulation testを施行したところ,ガバペンチンのみ陽性となり,ガバペンチンによる扁平苔癬型薬疹を考えた.治療はステロイド外用のみで,薬剤中止から6か月で皮疹はすべて色素沈着となり治癒した.ガバペンチンによる薬疹は本邦最初の報告例である.
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