Japanese
English
症例報告
皮下腫瘍との鑑別を要した歯原性膿瘍の1例
A case of odontogenic abscess mimicking subcutaneous tumor
高岡 佑三子
1
,
遠藤 雄一郎
1
,
藤澤 章弘
1
,
谷岡 未樹
1
,
宮地 良樹
1
Yumiko TAKAOKA
1
,
Yuichiro ENDO
1
,
Akihiro FUJISAWA
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚生命科学講座皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Kyoto University Graduate School of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
外歯瘻
,
歯原性膿瘍
,
皮下腫瘍
Keyword:
外歯瘻
,
歯原性膿瘍
,
皮下腫瘍
pp.1091-1093
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103490
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要約 75歳,男性.左鼻部から頰部にかけて皮下硬結を伴う紅斑が出現した.近医の内科,皮膚科,耳鼻科を受診したが原因不明であり,抗菌薬を2週間内服の後に軽快した.2か月後に同様の症状が再発したが抗菌薬に不応であった.皮下腫瘍の疑いで当院皮膚科を紹介受診した.皮下硬結が下床と癒着していたことから歯原性膿瘍を疑いエコー検査およびX線検査を行い確定診断した.口腔外科で原因歯の抜歯,囊胞摘出および掻爬術を施行して皮膚症状は軽快した.歯原性皮下膿瘍は非常に見逃されやすい疾患である.しかし,顔面の難治性瘻孔や皮下膿瘍を診察する際には,常に歯原性の原因を鑑別に入れることによって,容易に歯原性膿瘍の確定診断ができ,早期治療につながると考える.
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