Japanese
English
症例報告
Extended spectrum β-lactamase産生大腸菌により生じたFournier壊疽の1例
A case of Fournier's gangrene caused by Escherichia coli producing extended spectrum β-lactamase
奥野 奈央
1
,
野嶋 浩平
1
,
椛沢 未佳子
1
,
金 崇豪
2
,
武居 哲洋
2
,
並木 剛
1
Nao OKUNO
1
,
Kohei NOJIMA
1
,
Mikako KABASAWA
1
,
Sunho KIM
2
,
Tetsuhiro TAKEI
2
,
Takeshi NAMIKI
1
1横浜市立みなと赤十字病院皮膚科
2横浜市立みなと赤十字病院集中治療部
1Department of Dermatology, Yokohama City Minato Red Cross Hospital, Yokohama, Japan
2Department of Intensive Care Medicine, Yokohama City Minato Red Cross Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
Fournier壊疽
,
大腸菌
,
複合感染
,
ESBL産生菌
Keyword:
Fournier壊疽
,
大腸菌
,
複合感染
,
ESBL産生菌
pp.1094-1098
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103491
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要約 61歳,男性.初診5日前より会陰部に疼痛があり,急激に黒色調を呈したため前医を受診した.Fournier壊疽を疑われ当院に救急搬送された.陰囊,会陰部,左臀部に黒色壊死,周囲に広範囲にわたる発赤を認め,ショック症状を呈していた.同日,緊急で皮膚切開およびデブリードマンを施行した.抗生剤にはセファゾリンナトリウム2g/日とクリンダマイシン1,200mg/日を選択した.細菌培養にてESBL(extended spectrum β-lactamase)産生菌を含む感受性の異なる2種の大腸菌が培養されたため,セファゾリンナトリウムをメロペネム1.5g/日に変更した.2回目の皮膚切開・デブリードマン後より発赤腫脹は軽快した.ESBL産生菌は昨今検出率が増加し問題となっている耐性菌である.耐性菌や菌交代現象を考慮した広域抗生剤の初期大量投与や頻回の細菌培養が必要と考えられた.
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