Japanese
English
症例報告
頭蓋内膿瘍を生じた頭部ヒト咬創の1例
A case of intracranial abscess caused by human bite
小川 愛
1
,
田村 敦志
1
,
長谷川 道子
1
,
新井 正史
2
Ai OGAWA
1
,
Atsushi TAMURA
1
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Tadashi ARAI
2
1伊勢崎市民病院皮膚科
2伊勢崎市民病院神経内科
1Department of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
2Department of Neurology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
キーワード:
咬創
,
頭蓋内膿瘍
,
骨髄炎
,
髄膜炎
,
脳炎
Keyword:
咬創
,
頭蓋内膿瘍
,
骨髄炎
,
髄膜炎
,
脳炎
pp.812-816
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103416
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要約 25歳,男性.左頭頂部に弟の歯が突き刺さった.2週後より高熱,頭痛,嘔吐を生じ,当院を受診.抗生剤投与でいったん軽快したが,中止後,高熱,頭痛が再燃.頭部MRI・CTで咬創部直下の左頭頂部に骨髄炎,髄膜炎,硬膜下膿瘍,脳炎の所見を認めた.また,血液および創部からの膿の細菌培養で,歯周病菌の1種であるFusobacterium nucleatumが検出された.約2か月間の抗生剤点滴投与と開放創を維持することで,咬創部は陥凹性の瘢痕を残して治癒し,頭蓋内膿瘍も軽快した.咬創は,小さな創であっても嫌気性菌を含めた重篤な深部感染を生じる可能性があり,十分な治療と経過観察が必要である.
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