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Rinsho Hifuka Volume 66, Issue 8 （July 2012）

臨床皮膚科 66巻8号（2012年7月発行）

Japanese English

症例報告

閉塞性細気管支炎を合併し腫瘍随伴性天疱瘡を疑った扁平苔癬 A case of lichen planus with bronchilitis obliterans mimicking paraneoplastic pemphigus 丸山美鈴 ¹ , 白方裕司 ² , 村上信司 ² , 橋本公二 ³ Misuzu MARUYAMA ¹ , Yuji SHIRAKATA ² , Shinji MURAKAMI ² , Koji HASHIMOTO ³ ¹丸山耳鼻咽喉科・皮フ科 ²愛媛大学大学院医学系研究科感覚皮膚科学 ³愛媛大学先端研究・学術推進機構学術企画室 ¹Maruyama ENT and Skin Clinic,Ehime,Japan ²Department of Dermatology,Ehime University Graduate School of Medicine,Toon,Japan ³Institute for Promotion of Advanced Science and Technology,Ehime University,Toon,Japan キーワード：口腔内潰瘍 , 偽膜性結膜炎 , 閉塞性細気管支炎 , 扁平苔癬 , 腫瘍随伴性天疱瘡 Keyword: 口腔内潰瘍 , 偽膜性結膜炎 , 閉塞性細気管支炎 , 扁平苔癬 , 腫瘍随伴性天疱瘡 pp.589-592

発行日 2012年7月1日 Published Date 2012/7/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103356

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要約　44歳，女性．初診の3か月前，眼の違和感，口腔内潰瘍に続いて呼吸障害が出現した．当科初診時，口腔内潰瘍，陰部潰瘍，眼球・眼瞼結膜のびらん，充血を認めた．頰粘膜の病理組織像は苔癬型反応を呈し，蛍光抗体直接法，間接法はともに陰性．ELISA法にて抗デスモグレイン1抗体陽性，抗デスモグレイン3抗体偽陽性．免疫ブロット法で，抗プラキン蛋白抗体は陰性であった．全身検索で腫瘍の合併は見つからなかった．ステロイドの全身投与，血漿交換，大量免疫グロブリン投与を行ったが症状は継続した．内科にて，閉塞性細気管支炎と診断され，発症後約2年で呼吸不全のため永眠した．皮膚症状，臨床経過は腫瘍随伴性天疱瘡を疑うものであったが，抗プラキン蛋白抗体陰性，腫瘍の合併がなかったことより，扁平苔癬の診断が妥当と考えた．