Japanese
English
症例報告
メトトレキサート過量内服により皮膚粘膜障害,汎血球減少を生じたSAPHO症候群の1例
A case of SAPHO syndrome with mucocutaneous disorder and pancytopenia due to methotrexate overdose
梶間 諒
1
,
足立 剛也
1
,
宮川 明大
1
,
今井 悠気
2
,
花岡 洋成
2
,
野村 彩乃
1
,
高橋 勇人
1
,
天谷 雅行
1
,
大内 健嗣
1
Ryo KAJIMA
1
,
Takeya ADACHI
1
,
Akihiro MIYAGAWA
1
,
Yuki IMAI
2
,
Hironari HANAOKA
2
,
Ayano NOMURA
1
,
Hayato TAKAHASHI
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Takeshi OUCHI
1
1慶應義塾大学病院皮膚科
2慶應義塾大学病院リウマチ・膠原病内科
1Department of Dermatology, Keio University Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Rheumatology, Department of Internal Medicine, Keio University Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
メトトレキサート
,
過量内服
,
皮膚粘膜障害
,
汎血球減少
Keyword:
メトトレキサート
,
過量内服
,
皮膚粘膜障害
,
汎血球減少
pp.731-736
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207393
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要約 66歳,女性.SAPHO症候群に対してメトトレキサート(MTX)内服中,関節痛増悪がありMTX 6 mg/週から8 mg/週に処方量を増量した.最終内服2日後に発熱,口唇・口腔内のびらん,背部の紅斑・びらんが出現した.血液検査ではHb 10.5 g/dl,好中球数1,320/μl,血小板数5×104/μlと汎血球減少を認めた.詳細な薬歴聴取により,本人がMTXの内服方法を誤ったことを自覚しながら自己判断で内服を継続しており,MTXを32 mg/週内服していたことが判明した.MTX休薬等の加療で最終内服11日後には皮膚・粘膜症状,汎血球減少は改善した.以上よりMTX急性毒性と診断した.MTXは内服法が特殊で認知機能に問題がなくても誤用する可能性がある.MTX過量内服による副作用を予防するためには内服方法,過量内服した際の対応,副作用に関して十分に指導することが必要である.
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