Japanese
English
症例報告
発症から診断確定まで6年間を要したNocardia brasiliensisによる原発性皮膚ノカルジア症の1例
A case of primary cutaneous nocardiosis due to Nocardia brasiliensis,which is taken 6 years to have a diagnosis
小嶌 綾子
1
,
松村 由美
1
,
荒川 明子
1
,
加藤 真弓
1
,
是枝 哲
1
,
大楠 清文
2
,
宮地 良樹
1
Ayako KOJIMA
1
,
Yumi MATSUMURA
1
,
Akiko ARAKAWA
1
,
Mayumi KATOH
1
,
Satoshi KORE-EDA
1
,
Kiyofumi OHKUSU
2
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室
2岐阜大学大学院医学系研究科再生分子統御学講座病原体制御学分野
1Department of Dermatology,Kyoto University Graduate School of Medicine,Kyoto,Japan
2Department of Microbiology,Regeneration and Advanced Medical Science,Graduate School of Medicine,Gifu University,Gifu,Japan
キーワード:
原発性皮膚ノカルジア症
,
Nocardia brasiliensis
,
外傷
,
ST合剤
,
塩酸ミノサイクリン
Keyword:
原発性皮膚ノカルジア症
,
Nocardia brasiliensis
,
外傷
,
ST合剤
,
塩酸ミノサイクリン
pp.258-262
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103201
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要約 20歳台,女性.基礎疾患はない.初診の6年前にバイクで転倒し右外果に擦過傷を生じた.いったん治癒したが,受傷の半年後より右足関節部に腫脹,右外果に排膿を伴う発赤が出現した.数か所の総合病院にて診断が得られないまま塩酸ミノサイクリンを含む多種の抗菌薬の投与やデブリドマンを施行されたが改善しなかったため当院を受診した.病理組織像では真皮深部にびまん性に好中球が浸潤し,一部に糸状菌の菌塊を認めた.生検組織片を抗生剤無添加Sabouraudブドウ糖寒天斜面培地にて培養したところコロニーの形成を認め,16S rRNA遺伝子の解析に基づきNocardia brasiliensisと同定した.薬剤感受性検査にて感受性のあったST合剤の内服および携帯使い捨てカイロを用いる局所温熱療法にて加療したところ,1年後に瘢痕治癒した.培養にて培地や培養期間に配慮したことから今回診断に至ったと考えた.
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