Japanese
English
症例報告
腎病変が先行したコレステロール結晶塞栓症の1例
A case of cholesterol crystal embolization preceded by renal dysfunction
福安 厚子
1
,
澁谷 修一郎
1
,
多田 弥生
1
,
大西 誉光
1
,
神田 奈緒子
1
,
渡辺 晋一
1
Atsuko FUKUYASU
1
,
Shuichiro SHIBUYA
1
,
Yayoi TADA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Naoko KANDA
1
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Teikyo University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
コレステロール結晶塞栓症
,
心臓カテーテル検査
,
網状皮斑
Keyword:
コレステロール結晶塞栓症
,
心臓カテーテル検査
,
網状皮斑
pp.121-126
発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103168
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要約 80歳,女性.2005年8月初旬に虚血性心疾患に対して経皮的冠動脈形成術を2回施行された.約1.5か月後の9月にBUN 35.2mg/dl,Cr 3.23mg/dlの腎機能障害,約2か月後の10月に両足に自覚症状のない網状の皮疹が出現した.32%と著明な好酸球の増多を認めた.現症は両第3~5趾腹に自覚症状や圧痛のない点状から線状の紫紅色調の紅斑がみられ,右第5趾外側では癒合傾向を呈していた.右第5趾外側から連続して外足縁部は紫紅色調の網状皮斑を呈していたが,左外足縁には皮疹はなかった.病理組織像では真皮中層~脂肪織の一部の血管腔内に紡錘形の裂隙をみるエオジン好染性の無構造物質による閉塞像と,フィブリン析出を認めた.以上より,コレステロール結晶塞栓症と診断した.本邦報告98例の誘因,発症時期,症状の発現順,検査値,重症度などについて統計的考察を試み,好酸球値は発症週数の予測や腎障害の重症度に参考となると考えた.
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