Japanese
English
症例報告
Mobile encapsulated fat necrosisの2例
Two cases of mobile encapsulated fat necrosis
平田 祐子
1
,
廣門 未知子
1
,
長島 真由美
1
Yuko HIRATA
1
,
Michiko HIROKADO
1
,
Mayumi NAGASHIMA
1
1横浜船員保険病院皮膚科
1Division of Dermatology,Yokohama Seamen's Insurance Hospital,Yokohama,Japan
キーワード:
mobile encapsulated fat necrosis
,
脂肪壊死
Keyword:
mobile encapsulated fat necrosis
,
脂肪壊死
pp.127-130
発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103169
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要約 症例1:76歳,女性.両下腿脛骨前面に米粒大から小豆大の類円形,弾性硬の皮下結節を多数触知した.結節は脛骨前面の皮下を上下左右に,数十cmの範囲で容易に移動した.症例2:83歳,女性.右前腕に米粒大,弾性硬の結節を1か所触知し,数cmの範囲で可動性を有していた.いずれも病理組織学的所見で,線維性被膜に覆われた結節を認め,内部には変性壊死した脂肪細胞が充満していた.臨床症状および病理組織学的所見より,mobile encapsulated fat necrosisと診断した.発症原因として,症例1では脊柱管狭窄症のため両下肢が不自由であり,自覚しない程度の軽微な外傷を繰り返し受けていたことが推測された.症例2では自己免疫性肝炎に対するステロイドの長期内服が原因と考えられた.また,症例1では単純X線検査で触診できなかった石灰化病変を多数確認でき,診断に有用であった.
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