Japanese
English
症例
コレステロール結晶塞栓症の1例
Cholesterol crystal embolism
陣内 晃子
1
,
向井 慶
1
,
石川 武子
1
,
鎌田 昌洋
1
,
笹島 ゆう子
2
,
多田 弥生
1
Akiko JINNOUCHI
1
,
Kei MUKAI
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Yuko SASAJIMA
2
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部,皮膚科学講座(主任:多田弥生教授)
2同,病理診断科
キーワード:
コレステロール結晶塞栓症
,
バイパス術
,
腎障害
Keyword:
コレステロール結晶塞栓症
,
バイパス術
,
腎障害
pp.1813-1817
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004905
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72歳,男性。高血圧症,腎障害,糖尿病,脳梗塞と喫煙歴があった。47年前に大腿動脈バイパス術の既往があり,抗凝固薬を内服している。3カ月前に両足趾先端に疼痛,2週間前に紫斑が出現した。両足趾から足底にかけて網状紅斑,趾腹に紫藍色の紫斑を認めた。足背動脈は弱く触知した。血液検査で末梢血好酸球の増加と腎障害を認め,CTで胸腹部大動脈と腸骨動脈領域に動脈硬化性変化が著明であった。組織では真皮脂肪織境界部分において塞栓した血管内に紡錘形裂隙が多数みられた。動脈硬化の慢性的な経過中の発症であり,集積した同様の症例の文献的な発生頻度から考えても47年前のバイパス手術が直接的な誘因である可能性は低いと考えた。
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