Japanese
English
症例報告
頸部に生じたヒアリン血管型Castlemanリンパ腫
Hyaline vascular type Castleman's lymphoma of the neck
東野 俊英
1
,
崎山 真幸
1
,
浅野 千賀
1
,
阿部 浩之
1
,
青木 繁
1
,
藤本 典宏
1
,
小林 孝志
1
,
多島 新吾
1
Toshihide HIGASHINO
1
,
Masayuki SAKIYAMA
1
,
Chika ASANO
1
,
Hiroyuki ABE
1
,
Shigeru AOKI
1
,
Norihiro FUJIMOTO
1
,
Takashi KOBAYASHI
1
,
Shingo TAJIMA
1
1防衛医科大学校皮膚科学教室
1Department of Dermatology,National Defense Medical College,Tokorozawa,Japan
キーワード:
Castlemanリンパ腫
,
ヒアリン血管型
,
頸部
Keyword:
Castlemanリンパ腫
,
ヒアリン血管型
,
頸部
pp.783-786
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103049
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要約 16歳,男性.2年前より左前頸部に皮下腫瘤を自覚した.44×53mm大の楕円形の境界明瞭,弾性軟で下床との可動性が良好な腫瘤を認めた.MRI所見では神経系腫瘍が疑われ,全身麻酔下で手術を行った.術中,胸鎖乳突筋の深部,内頸静脈の外側に腫瘤を認め,全摘した.病理組織学的に,一部融合傾向を示すリンパ濾胞と,その周囲に壁の硝子化を伴った高皮質細静脈の増生を認め,ヒアリン血管型のCastlemanリンパ腫と診断した.CT,PETでは,他部位に明らかな病変を認めず,単中心性と診断した.術後8か月後の現在,再発徴候なく経過観察中である.Castlemanリンパ腫は縦隔を中心とした胸腔内,頭頸部に好発するまれなリンパ増殖性疾患であり,本症例のような単中心型は切除のみで良好な予後が期待できる.しかしながら,多中心型では種々の重篤な症状を合併するため,対症療法や化学療法が行われる.
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