Japanese
English
症例報告
下腿に硬結を触れる紅斑が多発し,血管壁の破壊を伴ったサルコイドーシスの1例
A case of sarcoidosis with indurated erythemas on the lower legs which revealed vasculitis histologically
村井 五月
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
Satsuki MURAI
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Tokyo Women's Medical University,Tokyo,Japan
キーワード:
サルコイドーシス
,
血管炎
,
網膜静脈周囲炎
,
結節性紅斑様皮疹
Keyword:
サルコイドーシス
,
血管炎
,
網膜静脈周囲炎
,
結節性紅斑様皮疹
pp.787-790
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103050
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要約 40歳,女性.2009年7月より出現した下腿の紅斑を主訴に受診した.初診時,両下腿に圧痛を伴う径20mmまでの小型の硬結を触れる紅斑が多発していた.生検像では,炎症の主座は真皮血管周囲であり,リンパ球,組織球を主体とする炎症性細胞浸潤と類上皮細胞肉芽腫を認めた.一部の血管では血管炎の像も呈していた.血中ACEとリゾチームは上昇し,ガリウムシンチグラフィで,両眼,肺門など複数の部位に明らかな集積像をみた.眼科精査にて網膜静脈周囲炎,胸部X線・CTにて両側肺門リンパ節腫脹を認めた.下腿の紅斑は無治療で約2か月後にはすべて消退し,網膜静脈周囲炎はステロイドの結膜下注射で軽快した.サルコイドーシスの皮膚病変で下腿に硬結を触れる紅斑を生じる場合には,結節性紅斑,結節性紅斑様皮疹のほかに,血管周囲性に肉芽腫を認め,血管壁の障害を伴うタイプもある.
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