Japanese
English
症例報告
塩酸チアラミドによる蕁麻疹型薬疹
Drug-induced urticaria due to tiaramide hydrochloride
小野寺 美奈子
1
,
爲政 大幾
1
,
井上 和加子
1
,
松尾 智央
1
,
岡本 祐之
1
Minako ONODERA
1
,
Taiki ISEI
1
,
Wakako INOUE
1
,
Tomohiro MATSUO
1
,
Hiroyuki OKAMOTO
1
1関西医科大学皮膚科
1Department of Dermatology,Kansai Medical University,Osaka,Japan
キーワード:
蕁麻疹型
,
薬疹
,
塩酸チアラミド
Keyword:
蕁麻疹型
,
薬疹
,
塩酸チアラミド
pp.581-584
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102994
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要約 59歳,男性.青魚の摂食によると思われる蕁麻疹の既往が3回ある.初診2か月前に魚介類系のだしを使用したラーメンを食べ,その4時間後より喉頭部に違和感を生じた.感冒と自己判断し,塩酸チアラミド,トラネキサム酸細粒を服用したところ,約10分後より全身に膨疹が出現した.ステロイド剤の点滴投与にて症状は速やかに軽快した.内服誘発試験で,塩酸チアラミドの内服30分後より全身に膨疹が出現した.トラネキサム酸やアスピリンでは皮疹は誘発されず,塩酸チアラミドによる蕁麻疹型薬疹と診断した.塩酸チアラミドは非ステロイド性・非ピリン系の塩基性抗炎症薬で,酸性消炎薬に比べ蕁麻疹型薬疹の報告は少ない.しかし,使用頻度が低いために薬疹報告例が少ない可能性も否定できない.塩酸チアラミドはアスピリン喘息患者にも使用できる数少ない抗炎症薬の1つで,その安全性を確認することは重要である.
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