Japanese
English
原著
塩酸ハイドロキシジンによる慢性蕁麻疹の治療
THE TREATMENT OF CHRONIC URTICARIA WITH HYDROXYGINE HYDROCHLORIDE
森安 勇
1
Isamu MORIYASU
1
1松江赤十字病院皮膚泌尿器科部
1Department of Dermatology and Urology, Matsue Red Cross Hospital
pp.881-883
発行日 1961年10月1日
Published Date 1961/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203152
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I.まえがき
蕁麻疹の治療は,抗ヒスタミン剤や,副腎皮質ホルモン剤が市場に現われてから,幾分らくになつたとはいえ,慢性蕁麻疹の頑固な症例の治療には,依然として困難を感じているのが現状である。
Ataraxは,台糖フアイザーの製品である。他の多くの精神神経安定剤と同様に,感情的ストレスを伴う種々の疾患の対症的治療に於て,そのAtaractic effect即ち,精神上の不安や緊張を鎮静する効果を特に強調して,発売されている製剤である。現在,皮膚科領域で,最も広く使用されている精神神経安定剤は,Chlorpromazineを中心としたPhenothiazine系の自律神経安定剤で,その他の薬剤は,Ureid系のMeprobamateが極く一部に使用されているに過ぎない。Atar-axは,一般名を塩酸ハイドロキシジンと呼び,前二者と異なり,Diphenylmethane系の化合物であるから,皮膚科領域では,未だ適応症の定まらぬ,適応発見の余地のある新顔の精神神経安定剤ということが出来よう。
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