Japanese
English
今月の症例
M蛋白血症を伴ったびまん性扁平黄色腫の1例
A case of diffuse plane xanthoma associated with monoclonal gammopathy
田中 隆光
1
,
大松 華子
1
,
大西 誉光
1
,
神田 奈緒子
1
,
渡辺 晋一
1
Takamitsu TANAKA
1
,
Hanako OHMATSU
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Naoko KANDA
1
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Teikyo University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
びまん性扁平黄色腫
,
多発性骨髄腫
,
M蛋白血症
Keyword:
びまん性扁平黄色腫
,
多発性骨髄腫
,
M蛋白血症
pp.382-385
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102939
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要約 81歳,女性.10年前に高脂血症を指摘され食事療法で軽快した.2年前から両前腕が黄色となり自覚症状なく徐々に全身へ拡大した.3週間前から両上腕内側から腋窩に自覚症状のない紅斑が出現した.現症は顔面,掌蹠,腋窩,体幹の一部を除くほぼ全身に扁平隆起するびまん性の黄色局面があり,さらに両上腕内側から腋窩周囲に爪甲大までの浸潤性紅斑が散在した.採血で黄疸や高脂血症はなく,IgGが高値でIgGκ型M蛋白を認めたが,尿中Bence-Jones蛋白は陰性であった.多発性骨髄腫の精査はできなかった.病理組織像では,真皮上層に泡沫細胞が一部胞巣を形成し,真皮結合織間にも散見された.泡沫細胞の周囲や血管周囲にリンパ球が結節状に浸潤していた.リンパ球はそれぞれ半数がCD4,CD8陽性.CD10,20,30,56,Ki-67は陰性であった.全身の皮疹をびまん慢性扁平黄色腫と診断した.紅斑は確定診断できなかったが,4週間で消退し再燃はない.
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