Japanese
English
症例報告
右下腿部に生じたclosed degloving injuryの1例
A case of closed degloving injury on the right calf
篠田 洋介
1
,
井上 卓也
1
,
三砂 範幸
1
Yosuke SHINODA
1
,
Takuya INOUE
1
,
Noriyuki MISAGO
1
1佐賀大学医学部内科学皮膚科
1Division of Dermatology,Department of Internal Medicine,Faculty of Medicine,Saga University,Saga,Japan
キーワード:
交通外傷
,
タイヤ
,
挫滅創
,
closed degloving injury
Keyword:
交通外傷
,
タイヤ
,
挫滅創
,
closed degloving injury
pp.387-390
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102940
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要約 80歳,女性.後方から来た乗用車と接触し前頭部および右下腿部を受傷した.初診時には前額部に血腫と右下腿部内側に表在性の擦過傷が認められた.頭部CTにて軽度の頭蓋内出血が確認され当院救急部へ入院した.受傷翌日より右下腿部の疼痛,腫脹が増強し,さらに受傷後8日目には局所の紅斑や波動,皮膚壊死も伴うようになった.深部組織の障害や感染症を疑いCT検査を行ったところ皮膚壊死に一致して血腫が確認され,closed degloving injuryと診断した.本疾患はタイヤに轢かれた際に生ずる特殊な局所要因に基づく挫滅創であり,初期治療が遅れると広範な皮膚壊死を生ずる.Closed degloving injuryは皮膚科医にとって馴染みのない疾患ではあるが,交通外傷時においてタイヤ痕の所見を認めた際には本疾患を念頭に置き,画像検査やデブリードマンの必要性を含め慎重に経過観察する必要がある.
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