Japanese
English
症例報告
単純疱疹ウイルスと水痘・帯状疱疹ウイルスの関与が示唆された多形紅斑の1例
A case of erythema multiforme possibly due to herpes simplex virus and varicella zoster virus
堀江 千穂
1
,
平原 和久
1
,
浅野 祐介
1
,
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
Chiho HORIE
1
,
Kazuhisa HIRAHARA
1
,
Yusuke ASANO
1
,
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
キーワード:
多形紅斑(erythema multiforme)
,
単純疱疹ウイルス(herpes simplex virus)
,
水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus)
,
モノクローナル抗体
,
汗腺
Keyword:
多形紅斑(erythema multiforme)
,
単純疱疹ウイルス(herpes simplex virus)
,
水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus)
,
モノクローナル抗体
,
汗腺
pp.109-112
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102505
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要約 45歳,男性.2005年から毎年,口囲に単純疱疹を繰り返していた.2008年3月,鼻口部に単純疱疹が出現し,その約2週間後から右大腿部に紅斑を発症した.近医でステロイド外用薬・抗アレルギー薬を処方されたが,皮疹は拡大した.その後,帯状疱疹の診断にて他院に入院し,アシクロビル(ACV)が投与されたが,皮疹は拡大傾向を示し,当科に転院した.初診時,右大腿部に限局して拇指爪甲大までの紫紅色斑が散在多発していた.多形紅斑(EM)と診断し,経過から単純ヘルペスウイルス(HSV)との関連を考えた.しかし,ACVの継続投与のみで,5日後,色素沈着を残し消退した.免疫組織化学的にEM病変部の汗腺に一致して水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)抗原の沈着を認めた.この所見は帯状疱疹例の所見と一致し,皮疹の分布とACV反応性を考え合せ,EMの発症にHSVのみならずVZVの関与が示唆された.
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