Japanese
English
原著
水痘皮疹部に一致して出現した乾癬—免疫組織学的検討を加えて
Psoriasis occurring at the site of prior varicella eruption : its immunohistochemical analysis
山本 菜穂子
1,2
,
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
Nahoko YAMANIOTO
1,2
,
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2静岡赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, kyorin University School of Medicine
キーワード:
乾癬
,
水痘
,
Köbner現象
Keyword:
乾癬
,
水痘
,
Köbner現象
pp.785-788
発行日 1998年9月1日
Published Date 1998/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902646
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20歳,男性.約6年前より頭部,四肢に発疹が生じ尋常性乾癬と診断されていた.初診5日前より水痘に罹患し当科受診.約4週間後に一部の小さな水痘皮疹の治癒した部位に一致して乾癬皮疹の出現が認められた.以前より存在していた乾癬皮疹に明らかな増悪は見られなかった.これら両者の乾癬皮疹の免疫組織学的検索を行った.前者では後者に比し表皮内に多数のCD8陽性細胞が認められ,また,真皮乳頭層直上の表皮に一致してHLA-DR, ICAM−1の発現が認められた.水痘帯状疱疹ウイルス感染表皮細胞に対してCD8陽性細胞が誘導され,接着分子の発現やサイトカインの産生が加わり,水痘皮疹部より乾癬皮疹へ進展する一つの契機となった可能性を考えた.
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