四肢遠位部に紫斑を呈した成人のヒトパルボウイルスB19感染症

An adult case of human parvovirus B19 infection with purpura on the hands and feet

要約　26歳，男性．初診の5日前より四肢遠位部に小紅斑が多発し，その後38.7℃の発熱をみた．初診時，体幹に米粒大までの浸潤を触れる紅斑を認め，一部融合していた．両前腕から手背にかけて，さらに両下腿から足背にいずれも点状の紫斑が融合していた．組織学的には真皮上層の炎症性細胞浸潤，赤血球の漏出を認めた．血液検査所見では，白血球数および血小板数が減少し，異型リンパ球の出現，ヒトパルボウイルス(PV)-B19抗IgM抗体は陽性であった．本例は紫斑の分布より，papular-purpuric gloves and socks syndromeであると考えた．ウイルス感染症を疑う中毒疹で，紫斑を呈した際には，PV-B19の感染も考慮すべきである．