Japanese
English
症例報告
タカサゴキララマダニ幼虫の多数刺咬例
A tick-bite case infested with numerous larval Amblyomma testudinarium ticks
菊池 荘太
1,2
,
菊池 了子
2
,
沖野 哲也
3
,
中川 秀己
1
Sota KIKUCHI
1,2
,
Ryoko KIKUCHI
2
,
Tetsuya OKINO
3
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2菊池クリニック
3川崎医科大学微生物学教室
1Department of Dermatology,The Jikei Univercity School of Medicine,Tokyo,Japan
2Kikuchi Clinic,Okayama,Japan
3Department of Microbiology,Kawasaki Medical School,Okayama,Japan
キーワード:
タカサゴキララマダニ
,
幼虫
,
多発例
Keyword:
タカサゴキララマダニ
,
幼虫
,
多発例
pp.1069-1072
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102775
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要約 81歳,男性.岡山県美作市在住.2009年6月,自宅の松ノ木を伐採後,四肢,体幹にかゆみを自覚した.四肢,体幹,鼠径部を合わせ計85か所の米粒大から大豆大の紅色丘疹と多数の浮腫性紅斑,膿疱を認めた.一部に黒色点が付着しているように見えた.拡大鏡で観察すると,黒色点に見えたものは3対6脚を有する虫体であり,マダニ刺咬症と診断した.咬着部の虫体をピンセットを用いて摘除し,塩酸ミノサイクリン100mg/日を9日間内服した.触肢や背甲板の形態より虫体はタカサゴキララマダニの幼虫と同定した.タカサゴキララマダニ寄生患者は九州地方で多く発生しており,近畿以西の地方では71.3%と多い.タカサゴキララマダニによる刺症は幼虫による多発刺症が多いが,タカサゴキララマダニ幼虫が小型で運動能力に乏しく,成虫に比べ葉に集団で待機するという習性のためと考えられる.
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