Japanese
English
症例報告
ヒロズキンバエによるハエ幼虫症の1例
A case of myiasis due to Phaenicia sericata
安藤 実緒
1
,
鳥居 秀嗣
1
,
林 伸和
2
Mio ANDO
1
,
Hideshi TORII
1
,
Nobukazu HAYASHI
2
1社会保険中央総合病院皮膚科
2東京女子医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology,Social Insurance Central General Hospital,Tokyo,Japan
2Department of Dermatology,Tokyo Women's Medical University,Tokyo,Japan
キーワード:
ハエ幼虫症
,
ヒロズキンバエ
,
褥瘡
Keyword:
ハエ幼虫症
,
ヒロズキンバエ
,
褥瘡
pp.970-973
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102753
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要約 87歳,女性.認知症あり.一人暮らし.家事は長男夫婦がしていたが,3週間シャワーに入っていなかった.全身状態が悪化し救急車にて受診した.軀幹,四肢に褥瘡があり,その内部および周囲に,蛆虫を多数認めた.褥瘡は二次感染を伴っていた.頭髪,臀部に便が付着しており,異臭を伴っていた.全身の洗浄を行い,摂子にて虫体を1つずつ摘出し3日目には消失した.蛆虫はヒロズキンバエと同定された.皮膚潰瘍に対する処置,補液,抗生物質の投与などにて全身状態,皮膚潰瘍の改善を認めた.ハエ幼虫症は頻繁に遭遇する疾患ではないが,高齢化が進み介護問題が複雑化する現代において,今後,同様の症例を経験しうると考えられた.
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