Japanese
English
症例報告
ヒトヒフバエ(Dermatobia hominis)によるハエ幼虫症の1例
Cutaneous myiasis due to Dermatobia hominis
青木 馨代
1
,
長村 蔵人
1
,
渡辺 秀晃
1
,
飯島 正文
1
,
白倉 哲郎
2
,
田中 和生
2
Kayo AOKI
1
,
Kurato OSAMURA
1
,
Hideaki WATANABE
1
,
Masafumi IIJIMA
1
,
Tetsuro SHIRAKURA
2
,
Kazuo TANAKA
2
1昭和大学医学部皮膚科学教室
2昭和大学医学部微生物学教室
1Department of Dermatology,Showa University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Department of Microbiology and Immunology,Showa University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
ヒトヒフバエ
,
Dermatobia hominis
,
ハエ幼虫症
,
myiasis
Keyword:
ヒトヒフバエ
,
Dermatobia hominis
,
ハエ幼虫症
,
myiasis
pp.167-171
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102816
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要約 20歳,日本人男性.ボリビアで登山中に四肢を虫に刺され,3週間後に帰国した.皮疹の多くは色素沈着を残して軽快したが,左足内果の結節は残存した.その2週間後,結節は増大し疼痛を自覚するようになった.受診時,左足内果に米粒大の紅色結節が認められ,虫刺症と皮膚二次感染の合併あるいは炎症性粉瘤を考え,フロモックス®の内服とリンデロン®VG軟膏の外用を行ったが軽快しなかった.初診から11日後,結節は大豆大に増大し,中央に小孔がみられた.小孔内に白色の物体が観察され,15mm大の虫体が摘出された.右下腿屈側にも胡桃大の紅色結節がみられたため,結節を切除したところ下床に同様の虫体を発見し摘出した.後日,虫体はともにヒトヒフバエ(Dermatobia hominis)の第2齢と同定された.海外渡航歴と難治性の結節から同症を鑑別するために,同症の存在と臨床的特徴を認識しておく必要があると考えた.
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