Japanese
English
症例報告
ヒトヒフバエによるハエ幼虫症の1例
A case of cutaneous myiasis due to Dermatobia hominis
中村 友果
1
,
高旗 博昭
1
,
佐藤 宏
2
Yuka NAKAMURA
1
,
Hiroaki TAKAHATA
1
,
Hiroshi SATO
2
1山口赤十字病院皮膚科
2山口大学共同獣医学部寄生虫学教室
1Division of Dermatology, Yamaguchi Redcross Hospital, Yamaguchi, Japan
2Laboratory of Parasitology, Joint Faculty of Veterinary Medicine, Yamaguchi University, Yamaguchi, Japan
キーワード:
ヒトヒフバエ
,
ハエ幼虫症
Keyword:
ヒトヒフバエ
,
ハエ幼虫症
pp.538-542
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205145
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要約 31歳,女性.初診7か月前より中南米に滞在しており,3週間前より右肘部に2か所の結節を自覚していた.帰国後,結節中央より白色虫体を認め,自宅にて自己圧出後,虫体を持参し当科を受診した.右肘部に瘻孔を伴う紅色結節を2か所認め,うち1か所の瘻孔から白色虫体の一部が観察された.カラードプラ超音波検査では,虫体を示す高エコー領域内に体液流を認め,検査中に虫体が動く様子も確認できた.局所麻酔下に,瘻孔部より切開を加え,虫体を摘出した.虫体はヒトヒフバエの2齢幼虫と同定した.海外渡航の増加に伴い,本邦に生息しない生物による疾患に遭遇する機会も増えると予想される.詳細な問診を行うとともに,自験例のような寄生虫疾患も念頭に置く必要があると考える.
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