Japanese
English
症例報告
関節リウマチに合併した顕微鏡的多発血管炎の1例
A case of microscopic polyangiitis in a patient with rheumatoid arthritis
安藤 実緒
1
,
鳥居 秀嗣
1
,
吉本 宏
2
,
二村 慎哉
3
Mio ANDO
1
,
Hideshi TORII
1
,
Hiroshi YOSHIMOTO
2
,
Shinya FUTAMURA
3
1社会保険中央総合病院皮膚科
2社会保険中央総合病院腎臓内科
3社会保険中央総合病院呼吸器内科
1Division of Dermatology,Social Insurance Central General Hospital,Tokyo,Japan
2Division of Nephrology,Social Insurance Central General Hospital,Tokyo,Japan
3Division of Respiratory Medicine,Social Insurance Central General Hospital,Tokyo,Japan
キーワード:
関節リウマチ
,
ブシラミン
,
顕微鏡的多発血管炎
,
MPO-ANCA
Keyword:
関節リウマチ
,
ブシラミン
,
顕微鏡的多発血管炎
,
MPO-ANCA
pp.974-978
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102754
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 69歳,女性.初診の1か月前より両下腿に紫斑が多発し増数した.既往歴に間質性肺炎,関節リウマチがあった.下腿の皮膚生検にて真皮上層に免疫複合体の沈着を伴わない壊死性血管炎を認め,MPO-ANCAが著明高値であった.顕微鏡的多発血管炎と診断し,従来内服していたプレドニゾロン(PSL)を50mg/日に増量した.その後,尿蛋白が出現したためブシラミンによる腎障害を疑い内服を中止した.しかし,臨床症状の増悪は認められなかったものの,MPO-ANCAが再上昇した.血管炎による臓器障害を懸念してステロイドパルスとエンドキサン内服の併用療法を行ったところ,MPO-ANCAは低下し,新たな臓器症状の出現もみられなかった.ANCA陽性の関節リウマチ患者は稀ではなく,一部はANCA関連血管炎を合併する.腎不全に至るケースもあるため,関節リウマチ患者が血管炎の症状を呈したときは,MPAを想定すべきであると考えられた.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.