Japanese
English
症例報告
肛囲Paget病の1例
A case of perianal Paget's disease
安藤 実緒
1
,
鳥居 秀嗣
1
,
岡本 欣也
2
,
佐原 力三郎
2
Mio ANDO
1
,
Hideshi TORII
1
,
Kinya OKAMOTO
2
,
Rikisaburo SAHARA
2
1社会保険中央総合病院皮膚科
2社会保険中央総合病院大腸肛門科
1Division of Dermatology,Social Insurance Central General Hospital,Tokyo,Japan
2Division of Coloproctology,Social Insurance Central General Hospital,Tokyo,Japan
キーワード:
肛囲Paget病
,
Paget現象
,
CK20
Keyword:
肛囲Paget病
,
Paget現象
,
CK20
pp.331-334
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102863
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要約 68歳,男性.3年前より肛囲に搔痒を伴う紅斑が出現した.肛門周囲に9×4cm大の脱色素斑を伴う紅斑を認め,皮膚生検にて肛囲Paget病または隣接臓器癌のPaget現象と診断した.下部消化管内視鏡検査などにて直腸肛門癌は明らかでなく,免疫組織化学的所見にて腫瘍細胞はcytokeratin(CK)20陰性,CK7陰性,gross cystic disease fluid protein(GCDFP)15陰性であった.肛囲Paget病と診断し,皮膚側は病変より3cm,粘膜側は1cm離して切除し,V-Y皮弁および分層植皮にて再建を行った.肛囲Paget病と直腸肛門癌のPaget現象は,それぞれ治療法も予後も異なるため両者を鑑別することが重要である.これらの鑑別にはCK20,CK7,GCDFP15による免疫組織化学染色が有益である.しかし,自験例では,これらすべてが陰性を示した.最終的に隣接臓器癌を証明しえなかったことより,肛囲Paget病と診断した.
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